(3) 「気候行動計画」の策定・承認
(3)-1 「気候行動計画」の策定
誓約した自治体は、誓約後2年以内に、前記の (1) 温室効果ガスインベントリの作成、(2) 気候変動によるリスク及び脆弱性の評価を踏まえ、「気候エネルギー行動計画」を策定します。気候行動計画には、2030年における基準年比の温室効果ガス排出削減目標、誓約事項❶~❸の具体的達成方策などを盛り込みます。
備考1(再掲)
既に策定されている2030年を目標年次とする地球温暖化対策法に基づく「実行計画」(区域施策編)などの計画であって、誓約事項(❶~❸)を満たすものは(複数の計画がある場合はこれらを合わせて)、日本事務局の確認を経て、「気候エネルギー行動計画」とみなされます。日本事務局にお問い合わせください。 その際、実行計画などが「誓約事項(❶~❸)を満たす」とは、以下のことを言います。 誓約事項❶:再エネ、コジェネ、地域電力小売事業などのエネルギー地産地消の取組みが盛り込まれていること |
温室効果ガス削減目標については表3に、主な緩和策(持続可能なエネルギーを含む。)については3つ程度を表4に、主な適応策については3つ程度を表5に、それぞれ記載します。
基準年 | 2013 |
目標年 | 2030 |
基準年排出量(CO2換算トン) | 804,000 |
削減割合目標(%) | 46 |
目標年絶対排出量(CO2換算トン) | 434,160 |
現在の排出量(CO2換算トン) | 700,000 |
現時点での目標達成度(%) 目標達成度=1- (基準年排出量 – 現在の排出量)/(基準年排出量 – 目標年排出量) |
28.1 |
備考:
2030年の国の削減目標は、2013年比46%削減
2005年比41%削減
2000年比41%削減
1990年比37%削減
緩和策 | 措置の詳細 | 政策・実施 手段 |
実施主体 | 予想される 排出削減量 (CO2換算t) |
省エネ (GJ) |
再生 エネ 生産 (GJ) |
実施状況 | 主な資金源 | コベネフィット 分野 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
バイオガス発電、電力調達・小売事業 | 家庭生ごみの分別収集し、下水・浄化槽汚泥と合わせてバイオガス生成。バイオガスにより発電・小売。現在、施設の設計、住民説明会の開催。 | インフラ整備、市民の協力 | 市の事業として実施 | 3,504 | 0.00 | 7,008 | 予備的な実現可能性調査 | 官民 | エネルギーレジリエンス、地域経済 |
病院、老人福祉施設などでのバイオガスコジェネへの転換 | 市内の病院、老人福祉施設など熱需要の多い施設において、熱源の更新の際に、市内の木質バイオマスから製造されたペレットを燃料として、オンサイトでバイオガス発電を行い、排熱を暖房・給湯に利用する。 | インフラ整備 | 病院・老人福祉施設設置者 | 1,095 | 0.00 | 4,380 | 予備的な実現可能性調査 | 官民(国の補助金あり) | エネルギーレジリエンス、地域経済 |
放置自転車の活用によるコミュニティサイクル | 市内に放置された自転車を回収・修理し、ステーション間では誰でも自由に使えるコミュティーサイクルとして活用。 | インフラ整備 | コミュニティ・ビジネス | 1,095 | 0.00 | 4,380 | 予備的な実現可能性調査 | 立ち上がりは助成財団からの助成金 | 移動レジリエンス、地域経済 |
関係する被害・影響 | 適応策 | 概要 | 政策手段 | コスト、資金戦略 | 実施状況 | タイム フレーム |
責任 主体 |
ステーク ホルダー |
緩和と適応の関係 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
極端な高温(学校における熱中症) | 適切な冷房装置整備 | すべての公立学校にエアコン整備 | 市の事業として実施 | 県の補助金(1/2) | 2020年度開始 | 2022年までに完備 | 市 | 小中学生 | トレードオフ |
同上 | 緑のカーテン | 校舎の南面にフェンスを張り、緑のカーテン | 市の事業として実施 | 財団の助成金 | 2020年度開始 | 2022年までに完備 | 市 | 小中学生 | コベネフィット |
海岸の高波(海面上昇に伴う海浜消失) | 養浜 | 海浜消失予想区域に養浜事業 | 国に養浜事業を要請 | 未定 | 未定 | 国・県 | 地域住民、観光業者 | 関係なし |
(3)-2 「気候エネルギー行動計画」の承認
誓約後に「気候エネルギー行動計画」(備考1によって「気候エネルギー行動計画」とみなされた温対法に基づく「実行計画」(区域施策編)などは除く。)を策定する誓約自治体は、気候行動計画の案を日本事務局に送付し、承認を求めます。日本事務局に設置された専門家からなる「審査委員会」は、当該気候エネルギー行動計画の案を審査し、審査基準を満たしている場合には、これを承認します。
審査基準は、ア「誓約事項」❶~❸を満たしていること、イ 基準年インベントリーが適切に作成されていること、です。
このうち、「誓約事項(❶~❸)を満たす」とは、以下のことを言います。
誓約事項❶:再エネ、コジェネ、地域電力小売事業などのエネルギー地産地消の取組みが盛り込まれていること
誓約事項❷:2030年における国の削減目標レベル以上の削減目標が設定され、そのための具体的取組みが盛り込まれていること
誓約事項❸:気候変動によるリスクなどの評価がなされ、具体的な適応策が盛り込まれていること