自治体WS in 南九州を開催しました
10月30日、31日に「気候危機、地域からの挑戦」と題し、「世界気候エネルギー首長誓約ワークショップ 2025 in 南九州」を鹿児島県志布志市と宮崎県串間市と合同で開催しました。今回は環境研究総合推進費 S24-4「気候変動適応の社会実装に向けた総合的研究」(東京大学・名古屋大学・東海学園大学)の研究の一環として実施し、東京大学から村山顕人教授とスタッフも参加頂きました。

一般公開のシンポジウムでは、串間市 武田浩一 市長の開会挨拶に続き、志布志市 下平晴行市長からはビデオメッセージを頂きました。基調講演では、宮崎大学地域資源創成学部杉山智行教授から、気候変動対策として地域にお金を還元する「地産地消」の仕組みと行動が求められるとのお話を頂きました。
次に村山顕人教授(東京大学大学院工学系研究科都市工学専攻)からは、「気候変動への適応―研究の成果と展望」として適応の重要性、研究の概要を講演頂きました。パネルディスカッションのリードトークとして、環境省九州地方環境事務所 番匠克二所長から多様な部署間との「シナジー」がカギだと口火が切られ、串間市武田市長と志布志市村山睦市民環境課長、村山教授も加わり、杉山範子事務局長からの一問一答より明確な議論が繰り広げられました。
午後からは、参加誓約自治体によるトークリレーに続き、適応策の課題を抽出しその対応策を検討するワークショップを東京大学のチームと連携して実施しました。各自治体の都市計画図を持ち寄り議論することで、異なる視点からの発想や考え方を共有し参加者のスキルアップにつなげることが出来ました。


翌日には日本初の試みであるユニ・チャームと共同した使用済み紙おむつのリサイクル現場に伺いました。志布志市の「ゴミを資源にしていく!」という、強い意気込みが伝わる視察となりました。
また、あいにくの雨となってしまいましたが、串間市風力発電所を訪れました。風車の下で説明を頂き地域特性に合わせた取り組みを現地で見ることができました。最後に日本在来馬が野生の状態で生息している都井岬を訪れ、岬馬をはじめ人間以外にも気候変動の影響を受ける生物がいることを改めて認識することができました。今後より一層、気候変動対策と生物多様性保全を両輪として実施していくために、気候変動適応策の重要性を実感する視察となりました。

